Shure se846 レビュー
ゴールデンウィークですね。みなさんどうお過ごしですか?自分は今年はなぜか休みを入れてくれてました。なので久々にゴールデンウィークを楽しんでいます。感謝感謝 (^_^)
さて今回は自分が愛用しているイヤホンの紹介をしたいと思います。またオーディオの話?つまんね〜と思ったそこのあなた!すみません <(_ _)>でも紹介させてください!だってそれほどに素晴らしい物なんですから!
山田とやまやまのポータブルオーディオ珍道中 そのいち - だらだらCEの平凡な毎日
この辺にも書いてあるんですがアメリカShure社のSE846を愛用しています。
まずはShure社の歴史を少々・・・
もともとコンデンサマイクで世界的に有名だったShure社は2006年にミュージシャンのステージモニター用イヤホンを開発します。ミュージシャンの間でこのイヤホンを常用する人が現れ、その遮音性の高さと音質から業界内で話題になり、2000年代のiPodに代表されるデジタルオーディオプレイヤーの爆発的ヒットが後押しし、一般人にまで広がっていきました。その独特な装着方法から「シュア掛け」という言葉が生まれたほどです。
最近ではフィギュアスケートの羽生君がイヤホンマニアらしくテレビでシュア掛けを説明してました。彼もse846を所有しているらしくテレビでイヤホンが映ってましたね。
se846
ハウジング内に2基の低域、中域と高域にそれぞれ1基のバランスド・アーマチュア型ユニット(以下BA型)を計4基、それに一番の特徴であるアコースティックローパスフィルターを含めた構造になっています。
BA型といえば繊細な音の表現が特徴ですが周波数帯域が狭いというデメリットがあります。なので人の可聴域まで周波数帯域を広げるには複数のBA型ユニットが必要になります。BA型1基のイヤホンもありますがやはり複数のBA型を積んだイヤホンには及びません。
でもここで問題が生じます。低域用BA型だからといって低音しか出ないわけではないのです。わずかに中域や高域まで音が出ています。これでは中域用のBA型の周波数帯域とかぶってしまい音に変な濁りが生じます。各社いろいろと工夫を凝らし解りづらいようにチューニングしていますが、このse846は10枚のステンレス板を溶接したアコースティックローパスフィルターを搭載しています。
A:ネットワーク
B:低域BA型(2基)
C:高域BA型(1基)
D:中域BA型(1基)
E:アコースティックローパスフィルター
このローパスフィルターはレーザーでくり抜かれおり、迷路のようになっていて低域BA型にくっついています。音はその迷路を通過していきます。グルグルぐるぐると。そうしているうちに中域、高域の音は減衰して出口に達する時には低域しか音が出なくなります。
青で囲ったところにローパスフィルターが入っています。
中域、高域はネットワークで周波数を分離させていますが中域BA型と高域BA型にもローパスフィルターの一部がかぶってます。少し減衰させて調節してるようです。
別々に発せられた低域・中域・高域の音が合流して一つの音になり最終地点である耳に到着します。
そしてもう一つの特徴がノズルインサートを交換する事によって高域の特性を変えられるようになっている事です。
これがそのノズルインサートです。
筒の中に綿のようなものが入っていてこれで調節しているようです。
上から黒が「ウォーム」、青が「バランス」、白が「ブライト」になります。
ウォーム -2.5db
バランス ニュートラル
ブライト +2.5db
高域が変化します。自分はブライトが好みだったのでブライト使用してます。金属音がすっごく煌びやかに鳴り、ボーカルが生き生きとします。特に女性ボーカルは高域が伸びるのでオススメです。ウォームは籠った感じになり自分には合いませんでした。しかし低音が沈み込むので低音好きにはいいかもしれません。
どこに装着するのかというと・・・
イヤーフォームを外します。
付属の専用器具でノズルを外すとその中に入っています。
開発者曰く、高域は人によって好みが別れるそうです。なのでこのようなギミックを用意したとの事。こういう仕掛けも所有欲を満たす要因ですね!
ちなみにケーブルはMMCXで脱着式です。もうこれは最近のトレンドですね。断線しても交換できますし、リケーブルで音質の変化も楽しめます。自分はSong's AudioのGalaxy Plusにリケーブルしてます。ただし標準で付いてくるケーブルは質が高いと感じました。いろんなケーブルを聴いてみた結果、標準ケーブルはバランスがいいと思った次第です。
Song's AudioのGalaxy Plusに付け替えてみました♪
では肝心の音質です。
普段はポータブルアンプを使用してるんですが、レビューという事で標準ケーブルにiPodClassic直刺しで聴いてみました。ノズルはブライトです。
まずはJazz、上原ひろみ「MOVE」からMOVEを聴いてみました。
冒頭ピアノの単音の連打から始まるんですが、そのひと音ひと音を正確に描き出します。静寂の中、ピアノの音が響くそれだけで周りの空間が手に取るようにわかります。それにドラムが加わりベースが加わっていく。ドラムの叩き出す音の正確さ、位置はもちろんライブ会場で体験出来るあのドスンッ!!とした低音が体験出来ます!シンバルのハイハットな音も輪郭を保ち綺麗に響きます。ベースは深く沈み込み質の高い重低音を響かせています。演奏は佳境に入りピアノ・ドラム・ベースがこれでもかと入ってきますが音は潰される事もなく全てを高い次元で鳴らせます。すべての楽器が一体感を増し、ついつい手が止まり音楽に集中してしまう。目を閉じるとそこはライブ会場。気づけば一曲終ってる。BA型ユニット4基も入っていてその繋がりがまったくわからないのはさすが。ローパスフィルターのおかげで十分に駆動できる低音は体に響きます。いや〜この記事書きながらだったので何度手が止まったか・・
続いて、ボーカル、樹里からんの「TORCH」から接吻/kissを聴いてみました。
このCDは非常に録音が良いんですが彼女のややハスキーながら透き通った歌声に聴き入ってしまいます。まるで目の前で歌ってるかのよう。息づかい、声の艶、色気までも聴き取れます。特に伸びる高域は聴いていて心地いい。ボーカルは前に出てくる傾向にありますね。
次はオーケストラ、エヴァンゲリオンQの楽曲です。フルバージョンなのでサウンドトラックとは記載されていません。
オーケストラ編成で録音されています。このどこまでも続く広大なスケール感はぜひse846で聴いていただきたい! 以前、寝る前に横になってランダムで聴いていた時にかかって飛び起きたぐらいですから。オーケストラの広大な物語感を堪能できます。いやはや・・このスケールはどう説明したらいいのやら・・・自分がまるでエヴァの主人公になったかのような・・・オーケストラ丸ごと再現してしまうse846の性能にただただ脱帽です。そういえば、どこぞの評論家がse846を小宇宙と表現したらしいですが本当にそんな感じです。
ちゃんとレビューになってるかわかりませんがこんな感じです。
いい事ばかり言ってきたんでダメな点も書きましょうかね。
もうそりゃ値段でしょ!今でこそ少し安くはなりましたが発表された当初は12万ぐらいか?と噂されてました。自分はその発表日にツイッターで情報収集してましたがあまりの値段に呆然としましたよ。ほんと。
で結局しばらくして店頭価格が発表され99800円に・・・・お!10万切ったやん!・・・って思ったのもつかの間、やっぱ高いわっ!!てなりましたよ。だって下位モデルのse535 special editionでさえ4万くらい。その2倍以上の値段??これは無理ゲーだなと心の奥底に封印しちゃいましたよ。ええ、その時は・・・
やっぱダメですね。
何がって?
視聴ですよ視聴・・・・
聴いちゃうと欲しくなって・・・
ほら・・増税前だったし・・・
それに・・何チャラかんちゃら・・・(←都合のいい言い訳)
うん、でも買ってよかったと思ってます。へたなイヤホン色々買っていくよりこれ1本で済みましたから。
では次回はポータブルアンプの愛用機ベンチャークラフトのSoundRoid Typhoonをレビューしたいと思います。まだ続くの?とか思わないで優しく見守ってくださいね〜
ではでは (^_^)